第8回「台本の読み込み方 Part2」
今日のテーマは
「台本の読み込み方」パート2
今回は前回の続きです。
前回と同じテキストを使って説明します。(初めての方は前回のパート1もご覧ください。)
初心者が台本を読む場合、登場人物が多くなると誰が誰か、分かりにくくなります。どの台詞を誰が話しているのかが明確にならず、台詞が覚えにくくなります。
今日はそれを解消しましょう。
【テキスト「待ち合わせ」】
シチュエーションは、乾・山下・杉谷・上田の4人で時給の高いアルバイトに行く為に、大阪駅で待ち合わせをしている。既に15分過ぎているが、今は乾だけが到着している。(携帯電話は圏外である)
山下 「乾さーん、ごめん、ごめん」
乾 「まだ、上田さんも杉谷さんも来てないのよ」
山下 「どうしたのかしら」
乾 「(杉谷を発見)ああ、杉谷さーん、こっち、こっちよ」
杉谷 「すいません。出掛けに人が来ちゃって・・・あれ、上田さんは?」
乾 「それがまだなのよ、遅れちゃうわ」
山下 「上田さんが来ないとわからないでしょ、道順?」
杉谷 「肝心な上田さんが遅れて、しょうがないわねえ」
乾 「あの人が言い出したのに・・・」
山下 「こんないいアルバイト、フイにしたら勿体ないわ」
杉谷 「ほんとねえ」
乾 「(上田を発見)あ! 来た、来た、上田さーん」
三人 「ああ、良かった・・・」
以上の内容です。
まず、登場人物の性格付け行いましょう。上記のテキストの書かれていることだけで、それぞれの性格を考えてください。
乾さんの性格は? 山下さんの性格は? 杉谷さんの性格は?
それぞれ、つくれましたか。
では、乾さんから見てみましょう。
時間通りに来ていることから、時間に正確な真面目な性格。ここまでは、皆さん読み取っていると思います。ここでもう一つ読み込むと、こう言ってます「それがまだなのよ、遅れちゃうわ」と、これはバイト先に遅れることを気にかけ、バイト先の人に対して気を使っている台詞です。気遣いが出来る性格がプラスされます。
山下さんを見てみましょう。
山下さんは、走っては来ているが15分も遅れている。このメンバーで15分の遅れは問題ないと計算している節がある。そして、こう言ってます「こんないいアルバイト、フイにしたら勿体ないわ」と、上田さんが遅れている理由よりもアルバイトが無くなる心配をしてます。お金に対しては3人の中で一番細かい人ではないか。
またこうも言ってます「上田さんが来ないとわからないでしょ、道順?」と、この台詞から道順が分かれば、上田さんを置いてバイト先に行くつもりなんだろう。そんな性格が想像出来ます。
次に、杉谷さんは遅れて来て乾さんに「こっち、こっちよ」と声を掛けられています。と言うことは、場所を勘違いして歩いている姿が浮かびます。
そして、こう言ってます「出掛けに人が来ちゃって・・・」と言い訳をしながら上田さんが居ないことを確認し、話を上田さんにすり替えてます。また、こうも言ってます「肝心な上田さんが遅れて、しょうがないわねえ」と、自分が遅れたことは棚に上げて上田さんを攻めています。このことから、ずる賢い性格が読み取れます。
このように、大胆に3人の性格を分類すると読みやすくなり、台詞も覚えやすくなります。
今日はこの辺で。
次回は、この続きを・・・。
お付き合いありがとうございました。