演出上野のブログ一覧

2019年09月01日

第15回「台詞を覚えるために ①」

今日のテーマは

「台詞を覚えるために ①」

 

先ず今日は台詞の覚え方を話す前に、台本について話をします。

私も台本を書く事があります。その書き手からの意見でもあると思っていただけたら幸いです。

よくあるのが、台本の内容を読むと云うよりも、読みながら自分がやれる役は何かを探しながら読む。もしくは役名が決まっている場合は、その役を中心に読む人がいますが、このような人の大半は台本に書かれている重要な内容を見落としていることが多い様です。

理由は、台本の台詞を自分の都合の良い様に解釈して読むからです。

 

役者が台本を読む時には、まず台本に書かれている内容を掌握する為に、素直な気持ちで読む。邪心が無い状態で感じ取った事が、恐らく作者の伝えたいことと同じだと思います。その上でもう一度、自分に与えられた役がこの台本上でどんな役割があるのかを理解する為に読み直すと、演じる人物像が見えてきます。

その時の注意点としては、与えられた役を中心に読まないことです。最初に素直な気持ちで読んだ時の内容を忘れずに読むことです。

こうして、役の人物像を捉えることが出来れば、役作りは、やり易くなります。

 

次に、作者にとって台本の台詞とは役者やスタッフに対する「道しるべ」です。作者はドラマの始まりからクライマックスのシーンにかけて表現してもらいたいと思っている内容を「台詞」と「ト書き(動きや感情を補足説明した箇所)」で表しています。

という事は、役者にとって台詞とは作者から託された、道案内の大切な「道しるべ」です。一言一句間違わずに覚え表現しないといけない事が分かります。

そして、覚えた台詞を役者が発する時は、作品の役割をもって、気持ちを表現する為の道具として使われます。

観客(視聴者)は役の人物を通してその台詞の気持ちを聞き作品の中に引き込まれて行き、感動を覚えるのです。

役者にとって、台詞は作者と観客(視聴者)の気持ち(感情)の橋渡し役です。

 

上記のことを踏まえ、次回は台詞を覚える為に必要なことについてお話します。

今日はこの辺で・・・。




2019年08月01日

第14回「レッスンや稽古では、汗をかけ」

日本放映プロのレッスン時には、動きやすい服装、ジャージなどに着替えてレッスンを受けるように伝えています。

我々の業界は体育会系ではなく、文科系です。ですが、普段着でレッスン会場に入りレッスンを受けて汗もかかずに帰れるほど楽な仕事ではありません。

確かに、ダンスの様に激しい動きを繰り返すわけではありません。セリフを読み、覚え、日常の会話の様なドラマを表現するだけかも知れません。だからと言って着替えることなくレッスンを受けるというのは、自ら身につけるべき表現力に規制をかけ成長を遅らせているのと同じです。

皆さんは正装(スーツやドレス)を着ると、ジーンズを履いている時とは動きが違うはずです。汚れないように、着崩れしないように、自分の動きを制限している筈です。

それと同じように、レッスン時に着替えていない人は、夏場なら汗だくになった服で電車に乗って帰りたくない。冬場なら汗をかいて表に出て、風邪を引かない様にと動きを制限します。

ラジオ体操でも一生懸命やれば汗ばみます。なのに、表現者としてテレビや舞台に出て、ギャラ(出演料)をもらおうとしている者が、自分の技術を磨くためのレッスンや稽古で、汗をかくことを嫌がっていては、一人前のタレントになれる訳がない。

レッスン会場や稽古場では、気持ちを表現するために、床に座ったり転がったりして、汗をかき、自分の表現力を磨き上げていくのです。

 

ある演出家の方は、「演劇はスポーツだ」と言っています。私も同感です。

自分の中にある感情を思い切って、出す(表現する)事によって観ている人にその感情が伝わるのだと思います。

演者はセリフや身体の動きを使って、観ている人に気持ちを伝えるのが仕事です。その為には、人一倍の鍛錬と努力が必要なのです。

 

ですから、レッスン会場や稽古場では「汗をかく」のが常識だと思って、衣服と一緒に心も着替えてレッスンに励んでください。

 

今日はこの辺で、ありがとうございました。




2019年07月01日

第13回「レッスン内容の意図を知る」

今回は「レッスン内容の意図」について
当社のレッスンにも様々な内容のものが有ります。

芝居はもちろんダンスや声楽・朗読など多数ありますが、そのレッスンを受けるにあたっての心構えを記します。第4回目の「レッスン内容は理解が必要」でも触れていますが、受けている人が今何の為にこのレッスンを受ける必要があるのか。
先生が教えたい意図は何なのか、を理解して受けているのかが重要になります。

例えば、演技レッスンの中でも「狂言」のレッスンが有りますが、私が聞いていると狂言的言い回しばかりに気をとられ、俳優が狂言を学ぶ意味が抜けている様に感じます。
先生は最初の時点で話をしているはずなのですが、やり始めると表現方法にのみとらわれているようで、俳優として今学ぶべき事を忘れているようです。

「狂言」は「能」と同じく日本の古典文化の1つです。
「散楽」(滑稽な物真似や劇、奇術、幻術、曲芸など)が、土着の芸能と融合して生まれた芸能の1つが「猿楽」です。そして猿楽の劇として「能」は悲劇的な物語で歌や舞を中心に、「狂言」は人間の滑稽な部分を題材にした喜劇で、面を付けずセリフと動きを中心に演じられます。これらの流れを汲んで生まれたのが、「歌舞伎」です。
簡単に説明すると上記のようなことになります。

話を元に戻しますが、当社では狂言師を育てているのではなく、俳優の表現に必要な題材として行っている訳です。上記で記した様に、滑稽な喜劇としてセリフを使って表現するわけですから、言い回しより感情による表現が重要なレッスンだと思います。
セリフの中で感情が変わったところをデフォルメするから滑稽な喜劇=狂言になるわけです。
だとすると、狂言のレッスンは感情表現のレッスンで、狂言らしい言い回しのレッスンでは無いということです。

「狂言」に限らず、レッスン内容で、何の為にこの様なレッスンが必要なのか。それを分からないままで受講せず、先生が教えたい意図を理解して、レッスンに望んでください。
当社のレッスンの中には、タレントに不必要なレッスンは、何一つありません。
理解すると目標が見えて来ます。そうすると楽しいですよ。

今日はこの辺で。




2019年06月01日

第12回「復習は何時やるか」

今日のテーマ

「復習はいつやるか」

例えば、日曜日にレッスンがあり、次のレッスンが1週間後の日曜日にあるとしたら、あなたはいつ復習と予習をしていますか?

研究生の何人かに聞いてみると、人それぞれでした。理由は、日常の生活習慣により、復習時間の取り方が違う為のようです。真面目な人ほど、きちんと予習復習の時間を決めておられる様です。

時間を決めて練習を行う事はいいことです。・・・が、その時間を最大限に生かす為に付け加えるアドバイスとしては、

「レッスン後24時間以内に、一度復習しましょう。」

なぜなら、レッスン後に時間を置いてしまうと、その時に出ていたダメ出しや注意点、変更点を忘れてしまうからです。

私のレッスンでも「それ、先週ダメだって言ったよね。」「あっ、そうでした。」なんて会話がよくあります。これは、その人が復習していないのでは無く、時間が経ってから復習しているので細かいところを忘れているのです。

また、芝居は一人で作るものではないので、相手役や自分に影響を及ぼす役の人が受けているダメ出しも自分の芝居には影響するのです。例えば、相手役の性格が大きく変われば、自分も今までとは違う性格の相手役と会話をする事になるのです。

自分のダメ出しは、台本に書き込む方がおられますが、相手役のダメ出し(自分にも影響するであろうダメ出し)を書いている方はほとんどいません。

ですから、24時間以内に短い時間でもいいので復習する事により、自分以外の人に言っていた注意点も思い出されます。そうすることで、レッスン会場では見えなかったことが、発見出来たりもします。

この復習を一度やっておくと、一ヵ月空いても少し復習するだけで気持ちや動きがよみがえってきます。

私はよく、「今日私のレッスンを受けてから来週次の先生が来るまでは、毎日嫌でも私の顔を思い出してください。」と話しています。それはレッスンの内容を思い出してください。と言う意味です。

頭の中でレッスン内容を思い出す時間が成長を加速させるのです。

今日は、この辺で。




2019年05月01日

第11回「出演の為のオーディション」

本日、元号が改められ令和となりました。
新しい時代に、新しい羽ばたきをする皆さんに、今日は「出演の為のオーディションについて」少しだけ書きます。

 

広告代理店や制作会社がテレビCM(コマーシャル)などの出演者を決める為に、オーディションを行います。これは一般公募で行われるオーディションではありませんので、当社のような芸能事務所に依頼が来るオーディションのことです。

 

このオーディションは、制作会社側から年齢・性別・身長・体重・見た目の雰囲気・個性や演技力の有無など細かく指定されて依頼されます。その条件に合う人を事務所側が数名ピックアップして提出します。

そのままオーディションになる場合も有りますし、書類審査で絞り込まれる場合もあります。(書類審査が有る場合が多いと思います。)

 

ここで忘れてはいけないのが、当社のタレントだけが参加している訳では無いということです。他社にも同じ条件で出演者候補を募っているのです。ライバルは、そのオーディションに呼ばれているタレント全員です。

そしてこの中から今回一番キャラクターが合い、実力の伴った人が選ばれ撮影となります。

 

初めてオーディションに行った人の中には、選ばれなかったと落ち込んでいる人がいます。

私はそんな時、こんな話をします。

例えば全事務所からオーディションに参加した人が30名いたとします。その中で出演が決まるのは1人だとしましょう。という事は、数学的確率から言うと30回オーディションに参加しないと1回受からないという事です。1回落ちて29名に入ったからと悲観する事はない。

ただし、『オーディションまでの間に何をしたか』、『聞いている情報の中で最善の準備をしたか』は、考え直してみましょう。例えば、ホテルマンの役でオーディションを受けるのに、ホテルマンはどんな仕事をし、どんな立ち居振る舞いをするのか。知らないままで受けても落ちるのは当然です。やる事をやって選ばれなかったのであれば、相手が求めているキャラクターと合わなかっただけです。

 

ならば30回受ける事を考えましょう。その為には、キャラクターの幅を広げる実力と事務所に信頼される関係性を築きましょう。受ける回数が増えれば、受かる確率も増えて出演の機会も訪れます。

 

それと忘れてはならないのは、オーディションに行った先で日本放映プロには○○というタレントがいるんだということを、いい意味で印象に残して来ることを心がけましょう。

次回作でキャラクターが合えば、指名で呼んでもらえるようになります。

 

今日は、このへんで終わります。
令和の時代、みなさんが大きな飛躍を遂げることを楽しみにしています。

 




2019年04月01日

第10回「ちょっとくらい出してくれても」

テレビやCMに「ちょっとくらい出してくれても・・・」について書きます。

 

レッスンを始めたばかりの人が、テレビのエキストラやテレビCM(企業コマーシャル)などの端役に「ちょっとくらい出してくれても良いのに・・・」とおっしゃる方がいます。

CMの場合ならスポンサーであるクライアントとご本人が相当親しい仲で、クライアントから指名でもない限り特別に出演をする事は、難しいでしょう。

 

なぜなら、「じゃ、ちょっとだけですよ」って出演させて、そのCMのグレードが落ちた作品になれば、二度と依頼はありません。

CMを一本撮るにもスタッフや関係者は仕事として、生活を掛けて必死に撮影しています。家族を守るため、次の仕事に繋げるために戦ってます。

皆さんの仕事と同じです。

 

ですから「少しくらい」は無いんです。

その為に、当社の様な事務所に細かいキャラクターや演技力まで指定して依頼が来るのです。

 

では、どうすれば出演できるのか。一番大事なのは事務所との信頼関係を築くことです。事務所は会社の看板を背負って(責任を持って)推薦します。信頼が持てないタレントはキャラクターが合っていても残念ながら出せない。無理して出して現場で問題が起これば今後、その制作会社から当社への仕事は無くなります。一人のために所属タレント全員が迷惑をこうむることになるからです。

 

次に大事な事は、技術によって幅広いキャラクターを演じられる演技力です。幅広いキャラクターは仕事の幅を広げ、出演のチャンスも広がります。

 

焦らず一つ一つ確実に身につけることが一番の早道です。

 

今日は、このへんで終わります。次回は、「出演の為のオーディションについて」を、お話します。

 

 




2019年03月15日

第9回「台本の読み込み方 Part3」

今日のテーマは

「台本の読み込み方」パート3

 

今回も前回、前々回の続きです。

前回と同じテキストを使って説明します。(今日初めての方は前回までのパート1パート2もご覧ください。)

 

今回は台詞を覚える為に必要な、読み込み方について説明しましょう。

6回目の「演じるとは、日常の再現と想像」でも話しましたが、台本の台詞(言葉)には

感情が入っていないと話し言葉には成りません。

では、どのような感情を乗せて行くのかテキストを使って説明します。

 

【テキスト「待ち合わせ」】

シチュエーションは、乾・山下・杉谷・上田の4人で時給の高いアルバイトに行く為に、大阪駅で待ち合わせをしている。既に15分過ぎているが、今は乾だけが到着している。(携帯電話は圏外である)

 

山下 「乾さーん、ごめん、ごめん」

乾  「まだ、上田さんも杉谷さんも来てないのよ」

山下 「どうしたのかしら」

乾  「(杉谷を発見)ああ、杉谷さーん、こっち、こっちよ」

杉谷 「すいません。出掛けに人が来ちゃって・・・あれ、上田さんは?」

乾  「それがまだなのよ、遅れちゃうわ」

山下 「上田さんが来ないとわからないでしょ、道順?」

杉谷 「肝心な上田さんが遅れて、しょうがないわねえ」

乾  「あの人が言い出したのに・・・」

山下 「こんないいアルバイト、フイにしたら勿体ないわ」

杉谷 「ほんとねえ」

乾  「(上田を発見)あ! 来た、来た、上田さーん」

三人 「ああ、良かった・・・」

 

以上の内容です。

 

まず、台本の台詞を話したくなる感情づくりには、登場人物の性格付けが必要です。(前回のパート2性格付けを参考にしてください。)また、相手との関係性も必要でしょう。

 

では、山下さんの場合から見て行きましょう。

初めの台詞が「乾さーん、ごめん、ごめん」と言ってます。「乾さーん」と名字で呼んでいることから、深い友人ではなさそうです。しかし、「ごめん、ごめん」と言っているので同年輩だと思われます。この台詞は遅れたことへの、友達への社交辞令的なお詫びの感情と考えましょう。

次の「どうしたのかしら」は、乾さんの台詞で「まだ、上田さんも杉谷さんも来てない・・」と言う言葉を受けて、アルバイトが出来なくなることを心配した感情で「どうしたのかしら」と上田さんを探す感情。

次の「上田さんが来ないとわからないでしょ、道順?」の喋りたくなるきっかけは、これも乾さんの「それがまだなの、遅れちゃうわ」を聞いて、もしかして誰か上田さんから道順を聞いていないかなと思い「上田さんが来ないとわからないでしょ、道順?」と二人に確認も込めた感情で聞く台詞と考える。

 

最後は遠まわしに道順のことを聞いたけど、杉谷さんも乾さんも道順を聞いていないことが分かったので、高額なアルバイトが無くなる心配で「こんないいアルバイト、フイにしたら勿体ないわ」と愚痴る感情になる。

 

このように、自分の感情は前の人が話す言葉によって、その都度変って行くと考えると、次の台詞は「何だっけ」と思い出しながら、活字を追いかけなくても台詞は出てきます。

台詞は、感情で覚える事です。

 

 

乾さんの場合を見てみましょう。

一人で待っている間は、自分が待ち合わせ場所を間違えて、皆に迷惑を掛けているんじゃないかと不安になっていたが、山下さん来たことで今一番気になっているのは、バイト先に遅れて迷惑を掛けることへの心配と、二人がまだ来ない不満の感情で待っている。

山下さんの「ごめん、ごめん」に対して「まだ、上田さんも杉谷さんも来てないのよ」は、遅れている二人への不満の感情の表れです。

 

乾さんだけが杉谷さんのも上田さんも発見するのは、ずっと二人を探しているからです。

「(杉谷を発見)ああ、杉谷さーん、こっち、こっちよ」この台詞は、杉谷さんが目の前を通り過ぎようとしているので、慌てた感情で居場所を教える台詞。

 

次に「それがまだなのよ、遅れちゃうわ」は、杉谷さんの「・・・あれ、上田さんは?」を受けて、道順を知っている上田さんが遅れていることへの不満の感情と始めて行くバイト先へ遅れて行きたくない感情の台詞。

 

そして「あの人が言い出したのに・・・」は、二人の台詞を受けて、上田さんの責任感の無さへの怒りの感情が湧き、それを抑えている台詞。

 

「(上田を発見)あ! 来た、来た、上田さーん」の台詞は、おそらく必死に走ってくる上田さんを見つけた時の喜びと安心感の感情でしょう。

そして、発見するタイミングは2回とも、話が続きそうでは無い台詞の後です。

 

 

では、杉谷さんの場合を見てみましょう。

乾さんから「こっち、こっちよ」と呼ばれるまでは、次の角を曲がった所が待ち合せ場所だと思っていたので、角を曲がる辺りから走ればいいとゆっくり歩いていたところを呼ばれて、慌てて誤魔化す為に、笑いながらの「すいません。出掛けに人が来ちゃって」そして「・・・」は上田さんが居ないことに気付き、遅れているのかトイレにでも行っているのかを確認する為に「あら、上田さんは?」と乾さんに確認の為に聞く。

 

次の「肝心な上田さんが遅れて、しょうがないわねえ」は山下さんの「上田さんが来ないとわからないでしょ、道順?」を聞いて、上田さんが遅れていること知って自分の遅刻より上田さんの遅刻の方が、罪が重いことを印象つける為、上田さんを攻める感情の台詞。

 

最後の「ほんとねえ」は山下さんの「こんないいアルバイト、フイにしたら勿体ないわ」

に同調し、無責任な上田さんを攻める感情。(井戸端会議的な)

 

そして、最後の「ああ、よかった・・・」は三人それぞれの思いの中で、これまでの会話は無かった事にして、アルバイトに行こうと思う感情の台詞。

 

 

このように、台詞から性格やそれぞれの感情を創り出すと短いテキストの中でもドラマは創り出せます。

少し極端に思われても、それくらい創り上げないと三人の個性が出ず、何の話しかわからなくなります。これを演じてみると、意外とリヤルな芝居になります。

台詞は気持ちがあってこそ、出て来るものです。その台詞を喋りたくなる気持ちの発見こそが、台詞を覚えるコツです。

機会があれば、お友達と練習してみてください。

 

 

今日はこの辺で。

お付き合いありがとうございました。




2019年03月01日

第8回「台本の読み込み方 Part2」

今日のテーマは

「台本の読み込み方」パート2

 

今回は前回の続きです。

前回と同じテキストを使って説明します。(初めての方は前回のパート1もご覧ください。)

 

初心者が台本を読む場合、登場人物が多くなると誰が誰か、分かりにくくなります。どの台詞を誰が話しているのかが明確にならず、台詞が覚えにくくなります。

今日はそれを解消しましょう。

 

【テキスト「待ち合わせ」】

シチュエーションは、乾・山下・杉谷・上田の4人で時給の高いアルバイトに行く為に、大阪駅で待ち合わせをしている。既に15分過ぎているが、今は乾だけが到着している。(携帯電話は圏外である)

 

山下 「乾さーん、ごめん、ごめん」

乾  「まだ、上田さんも杉谷さんも来てないのよ」

山下 「どうしたのかしら」

乾  「(杉谷を発見)ああ、杉谷さーん、こっち、こっちよ」

杉谷 「すいません。出掛けに人が来ちゃって・・・あれ、上田さんは?」

乾  「それがまだなのよ、遅れちゃうわ」

山下 「上田さんが来ないとわからないでしょ、道順?」

杉谷 「肝心な上田さんが遅れて、しょうがないわねえ」

乾  「あの人が言い出したのに・・・」

山下 「こんないいアルバイト、フイにしたら勿体ないわ」

杉谷 「ほんとねえ」

乾  「(上田を発見)あ! 来た、来た、上田さーん」

三人 「ああ、良かった・・・」

 

以上の内容です。

 

まず、登場人物の性格付け行いましょう。上記のテキストの書かれていることだけで、それぞれの性格を考えてください。

乾さんの性格は? 山下さんの性格は? 杉谷さんの性格は?

 

それぞれ、つくれましたか。

では、乾さんから見てみましょう。

時間通りに来ていることから、時間に正確な真面目な性格。ここまでは、皆さん読み取っていると思います。ここでもう一つ読み込むと、こう言ってます「それがまだなのよ、遅れちゃうわ」と、これはバイト先に遅れることを気にかけ、バイト先の人に対して気を使っている台詞です。気遣いが出来る性格がプラスされます。

 

山下さんを見てみましょう。

山下さんは、走っては来ているが15分も遅れている。このメンバーで15分の遅れは問題ないと計算している節がある。そして、こう言ってます「こんないいアルバイト、フイにしたら勿体ないわ」と、上田さんが遅れている理由よりもアルバイトが無くなる心配をしてます。お金に対しては3人の中で一番細かい人ではないか。

またこうも言ってます「上田さんが来ないとわからないでしょ、道順?」と、この台詞から道順が分かれば、上田さんを置いてバイト先に行くつもりなんだろう。そんな性格が想像出来ます。

 

次に、杉谷さんは遅れて来て乾さんに「こっち、こっちよ」と声を掛けられています。と言うことは、場所を勘違いして歩いている姿が浮かびます。

そして、こう言ってます「出掛けに人が来ちゃって・・・」と言い訳をしながら上田さんが居ないことを確認し、話を上田さんにすり替えてます。また、こうも言ってます「肝心な上田さんが遅れて、しょうがないわねえ」と、自分が遅れたことは棚に上げて上田さんを攻めています。このことから、ずる賢い性格が読み取れます。

 

このように、大胆に3人の性格を分類すると読みやすくなり、台詞も覚えやすくなります。

 

今日はこの辺で。

次回は、この続きを・・・。

お付き合いありがとうございました。




2019年02月01日

第7回「台本の読み込み方 Part1」

今日のテーマは

「台本の読み込み方」パート1

 

今回は簡単なテキストを使って、台本をどのように読み込めばいいのかについて3回に渡って説明したいと思います。

 

【テキスト「待ち合わせ」】

シチュエーションは、乾・山下・杉谷・上田の4人で時給の高いアルバイトに行く為に、大阪駅で待ち合わせをしている。既に15分過ぎているが、今は乾だけが到着している。(携帯電話は圏外である)

 

山下 「乾さーん、ごめん、ごめん」

乾  「まだ、上田さんも杉谷さんも来てないのよ」

山下 「どうしたのかしら」

乾  「(杉谷を発見)ああ、杉谷さーん、こっち、こっちよ」

杉谷 「すいません。出掛けに人が来ちゃって・・・あれ、上田さんは?」

乾  「それがまだなのよ、遅れちゃうわ」

山下 「上田さんが来ないとわからないでしょ、道順?」

杉谷 「肝心な上田さんが遅れて、しょうがないわねえ」

乾  「あの人が言い出したのに・・・」

山下 「こんないいアルバイト、フイにしたら勿体ないわ」

杉谷 「ほんとねえ」

乾  「(上田を発見)あ! 来た、来た、上田さーん」

三人 「ああ、良かった・・・」

 

以上の内容です。

 

まず、これを読んでどんな状況かを、頭に映像化出来ましたか?

次に、台本とは出演者の一部を切り取って書き出された物がほとんどです。したがって、台詞を喋る前の時点から、芝居は始まっています。

 

では、ここで質問です。

乾さんはどんな気持ちで待っているでしょう?

「遅いなあ! 何やってるんだ!」と遅れている人に怒りを持って待っている芝居を考えた人。そんなに怒る程でも無いと考えた。何も考えなかった。その他。

あなたはどれですか?

 

・この場合、4人で待ち合わせをしている。

・時間が15分も過ぎている。

 

だとすると、乾さんは時間の経過と共に、自分が待ち合わせ場所を間違えているんじゃないかと不安になる。4人の待ち合わせで3人が来ない訳ですからそう読み取るべきです。

そして、山下さんが現れた時に、安心感と少しの怒りも現れる筈です。それらを表現しながら、次の台詞へ移って行く。この感情の動きを瞬時に行う必要があります。

 

「不安になる」と云うことが頭に思い浮かばなかった方は、台本に後から3人が来ることが書かれていたために、来る事を知っているので考えなかったのです。

演じる時は、瞬間瞬間の感情を読み取ることが必要です。

 

観ている人は、台詞だけを聞いてドラマの内容を理解している訳ではありません。感情の動きを観て理解し、感動しているのです。(ラジオドラマは表現方法が違います)

 

今日はこの辺で。

次回は、この続きを・・・。

お付き合いありがとうございました。




2019年01月04日

第6回「夢を追いかけられる幸せ」

新年あけましておめでとうございます。

皆さんお元気ですか?

最近つくづく、健康が何者にも勝る幸福だと感じます。

 

今日は「夢を追いかけられる幸せ」

このテーマで、書いてみたいと思います。私も四十数年前に芸能界に飛び込みました。何も出来ない少年が、憧れだけで飛び込んだ世界です。私のきっかけは友人に雑誌を見せられ「お前、こんなの好きなんじゃない?」って渡された事から、話が盛り上がり、盛り上がったまま、今もこの世界に居ます。

 

きっかけなんてものは、何でもいいと思います。新しい出会いが人の視野を広げ、考えてもいなかった世界へと飛び込んで行く。そして、また新しい出会いが出来、人生を変え成長させてもらえる。私がこんなに長く芝居に携われるとは思ってもいませんでした。

この四十数年間で数多くのライバルや仲間と出会ってきましたが、今もこの業界で芝居に携わっている者は極わずかです。

それぞれに離れて行った理由はあると思うのですが、自分の意思で離れて行った者は別として、家庭環境など周りの環境が続けたくても続けられなかった者も多く見て来ました。(本人はさぞ悔しかったであろう)

 

好きな事を続けられる人の方が少ないのだと思います。色々な運やタイミングが人生を変えるのでしょう。それだけに、夢を追い続けられる幸せは自分だけで作っているのではなく、周りの環境が続けさせてくれている、そのことに感謝しなければいけないとつくづく思います。

 

ですから私の願いは・・・今「夢を追いかけている人」は今の環境に感謝し悔いを残さない様に、精一杯走って貰いたいと・・・。

 

今日はこの辺で。

お付き合いありがとうございました。

本年もよろしくお願いいたします。