第15回「台詞を覚えるために ①」

今日のテーマは

「台詞を覚えるために ①」

 

先ず今日は台詞の覚え方を話す前に、台本について話をします。

私も台本を書く事があります。その書き手からの意見でもあると思っていただけたら幸いです。

よくあるのが、台本の内容を読むと云うよりも、読みながら自分がやれる役は何かを探しながら読む。もしくは役名が決まっている場合は、その役を中心に読む人がいますが、このような人の大半は台本に書かれている重要な内容を見落としていることが多い様です。

理由は、台本の台詞を自分の都合の良い様に解釈して読むからです。

 

役者が台本を読む時には、まず台本に書かれている内容を掌握する為に、素直な気持ちで読む。邪心が無い状態で感じ取った事が、恐らく作者の伝えたいことと同じだと思います。その上でもう一度、自分に与えられた役がこの台本上でどんな役割があるのかを理解する為に読み直すと、演じる人物像が見えてきます。

その時の注意点としては、与えられた役を中心に読まないことです。最初に素直な気持ちで読んだ時の内容を忘れずに読むことです。

こうして、役の人物像を捉えることが出来れば、役作りは、やり易くなります。

 

次に、作者にとって台本の台詞とは役者やスタッフに対する「道しるべ」です。作者はドラマの始まりからクライマックスのシーンにかけて表現してもらいたいと思っている内容を「台詞」と「ト書き(動きや感情を補足説明した箇所)」で表しています。

という事は、役者にとって台詞とは作者から託された、道案内の大切な「道しるべ」です。一言一句間違わずに覚え表現しないといけない事が分かります。

そして、覚えた台詞を役者が発する時は、作品の役割をもって、気持ちを表現する為の道具として使われます。

観客(視聴者)は役の人物を通してその台詞の気持ちを聞き作品の中に引き込まれて行き、感動を覚えるのです。

役者にとって、台詞は作者と観客(視聴者)の気持ち(感情)の橋渡し役です。

 

上記のことを踏まえ、次回は台詞を覚える為に必要なことについてお話します。

今日はこの辺で・・・。

2019年9月1日