第13回「レッスン内容の意図を知る」

今回は「レッスン内容の意図」について
当社のレッスンにも様々な内容のものが有ります。

芝居はもちろんダンスや声楽・朗読など多数ありますが、そのレッスンを受けるにあたっての心構えを記します。第4回目の「レッスン内容は理解が必要」でも触れていますが、受けている人が今何の為にこのレッスンを受ける必要があるのか。
先生が教えたい意図は何なのか、を理解して受けているのかが重要になります。

例えば、演技レッスンの中でも「狂言」のレッスンが有りますが、私が聞いていると狂言的言い回しばかりに気をとられ、俳優が狂言を学ぶ意味が抜けている様に感じます。
先生は最初の時点で話をしているはずなのですが、やり始めると表現方法にのみとらわれているようで、俳優として今学ぶべき事を忘れているようです。

「狂言」は「能」と同じく日本の古典文化の1つです。
「散楽」(滑稽な物真似や劇、奇術、幻術、曲芸など)が、土着の芸能と融合して生まれた芸能の1つが「猿楽」です。そして猿楽の劇として「能」は悲劇的な物語で歌や舞を中心に、「狂言」は人間の滑稽な部分を題材にした喜劇で、面を付けずセリフと動きを中心に演じられます。これらの流れを汲んで生まれたのが、「歌舞伎」です。
簡単に説明すると上記のようなことになります。

話を元に戻しますが、当社では狂言師を育てているのではなく、俳優の表現に必要な題材として行っている訳です。上記で記した様に、滑稽な喜劇としてセリフを使って表現するわけですから、言い回しより感情による表現が重要なレッスンだと思います。
セリフの中で感情が変わったところをデフォルメするから滑稽な喜劇=狂言になるわけです。
だとすると、狂言のレッスンは感情表現のレッスンで、狂言らしい言い回しのレッスンでは無いということです。

「狂言」に限らず、レッスン内容で、何の為にこの様なレッスンが必要なのか。それを分からないままで受講せず、先生が教えたい意図を理解して、レッスンに望んでください。
当社のレッスンの中には、タレントに不必要なレッスンは、何一つありません。
理解すると目標が見えて来ます。そうすると楽しいですよ。

今日はこの辺で。

2019年7月1日